先日、革日和博多に持っていった、この度新しく作ったスリッカー。
nijigamitooolでは電動でコバを磨くための道具はいくつか作っていましたが、
手で磨くスリッカーはこれが初めてです。
そのスリッカーについて、もう少し詳しく紹介させていただきます。
見ての通り三角柱です。
厳密にいうと上辺が短い台形なんですが。
第一印象として、おそらく「何これ変なカタチ」と思われるだろうと思いますので、
開発の経緯と想定している持ち方について簡単に説明していこうとおもいます。

そもそもこのスリッカーを手掛けるきっかけになったのが、
「コバに点で接する丸いものでなく、線で接する平らなスリッカーが欲しい」
という声を受けてです。
その方曰く、その方が磨きの効率が良いということでした。
ですので、直線的で長い溝がこのスリッカーの一番の特徴で
そこを基本軸として設計しています。
ただ本当にそれだけだと、僅かな内R部分にも
届かなくなってしまい、完全に直線専用スリッカーになってしまいます。
それはそれで男らしいですが、ちょっと不便なので、
そこから折り返したところにも短い溝も作りました。
入り組んだ部分もこちらで、磨くことができます。
基本的には、画像のように三角形の底辺に親指を添え(引っ掛け)、
溝の裏側の面に人差し指を添える持ち方を想定しています。
この持ち方だと、ちょうど人差し指の真下で磨いている感覚がえられます。
「磨いているポイント」とその時の「指の位置」を重視しました。
溝は全部で6種類作っていて、
これを全て並べてしまうとかなりの幅をとってしまいます。
どの溝を使っても、持った感覚が極力変わらないようにしたかったため、
溝は両側に分散させ、スリッカーの端の方に配置。
反対側に「ヘラ」のようなものを作るのも一つの形だと思うのですが、
今回はそのカタチは迷わず捨てました。
明確なそのヘラの使い道のアイデアが特になかったので、「とりあえず」で作ったところで、
中途半端な形になると思ったからです。
溝がL型に切られている構造であるがゆえ、
持った時の感覚を同じにするために反対側は裏面に溝を設置しています。
また、そもそも左手で握った場合は全く逆になってしまうため、
逆勝手(左利き用)も用意しました。
4つの完全な溝を使ってコバを磨く方法は説明不要かと思いますが、
端の半溝はコバの片方は触りたくないというような時を想定して作っています。
裏は極力ピン角、表だけ面を取りたいというような場合です。
その際には、宙に浮かせての作業は安定しにくいので、
作業台などの端の方に革を置いた上で磨いていただければと思います。
使用している素材は、「アフリカンブラックウッド」。
この木は他に「アフリカ黒檀」「グラナディラ」などとも呼ばれていて、
その名通り、アフリカ産の材です。
材料に付いてもまた、追ってお知らせします。
このスリッカー、まだ販売準備が出来ておりません。
(ネットショップの準備等)
もう少しお待ち下さい。